著者
田中 薫 大沢 貫寿 本田 博 山本 出
出版者
日本農薬学会
雑誌
Journal of Pesticide Science (ISSN:1348589X)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.75-82, 1981-02-20 (Released:2010-08-05)
参考文献数
20
被引用文献数
38 49

エレクチンはアズキゾウムシの雄の交尾器を突出させて交尾を誘導するフェロモンであり, 単独では活性のない二つの区分の共力作用によるものである. 一つの区分は数種の炭化水素, 具体的には3-メチルペンタコサン, 11-メチルヘプタコサン, 3-メチルヘプタコサン, 11-メチルノナコサン, 13-メチルノナコサン, 11,15-ジメチルノナコサン, 9,13-ジメチルヘントリアコンタンおよび11,15-ジメチルトリトリアコンタンからなり, いま一つの区分は一種のジカルボン酸, (E)-3,7-ジメチル-2-オクテン-1,8-二酸からなる. この交尾フェロモンは雌からも雄からも得られるが, 雄にしか活性を呈しない.
著者
東亜合成化学工業株式会社ポリマー事業部
出版者
日本農薬学会
雑誌
日本農薬学会誌 (ISSN:03851559)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.271-272, 1989-05-20

各種毒性試験を実施し, ポリアクリル酸ナトリウムの安全性評価を行なった.ポリアクリル酸ナトリウムのマウスに対する急性経口LD_<50>値は10, 000mg/kg以上であり, きわめて低毒性の化合物と判断された.ラットの亜急性および慢性毒性試験においては, 高用量群で若干の体重増加抑制の結果も得られたが, 蓄積的毒性ならびに癌化, 前癌的変化などの特異的影響は見られなかった.以上から, ポリアクリル酸ナトリウムは, 食品添加物にも指定されているように, 非常に安全性の高い化合物といえる.また, 魚貝類に対しても通常の使用では問題もなく, 魚毒性はA類に該当している.なお, ポリアクリル酸ナトリウムを含有するアロンAは安全性の高い薬剤である上, 空中液剤散布における補助剤として噴霧粒子中の主剤のドリフト防止効果およびそれにより主剤の病害虫防除効果を向上させうることから, 農業資材としてきわめて有用であると考えられる.
著者
Jonathan J. Sullivan Kean S. Goh
出版者
日本農薬学会
雑誌
Journal of Pesticide Science (ISSN:1348589X)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.339-350, 2008-11-25 (Released:2008-11-25)
参考文献数
47
被引用文献数
13 42 23

Pyriproxyfen is a broad-spectrum insect growth regulator (IGR) with insecticidal activity against public health insect pests such as houseflies, mosquitoes and cockroaches. In agriculture and horticulture, pyriproxyfen has registered uses for the control of scale, whitefly, aphids and fire ants. It is used extensively worldwide, particularly in developing countries, although it has no significant uses in California. Pyriproxyfen acts on the endocrine system of insects by mimicking the juvenile hormone, thereby hindering molting and subsequently inhibiting reproduction. IGRs are unique in that they are specific for insects and have very low mammalian toxicity. As such, pyriproxyfen has received U.S. EPA status as a Reduced Risk insecticide and an organophosphate alternative and is the only pesticide approved by the World Health Organization (WHO) for treatment of potable water against mosquito. However, concerns about its environmental persistence and latent toxicity to nontarget organisms have been recently raised and discussed. In this context, a detailed review of the environmental fate and physicochemical properties of pyriproxyfen from the available scientific literature and from data gathered in its development and testing is needed. This paper gathers, combines, and abridges important environmental fate and property data on pyriproxyfen for academics, environmental scientists and agricultural professionals needing ready access to this information.
著者
Yoon C. Kang S.H. Yang J.O. Noh D.J. Indiragandhi P. Kim G.H.
出版者
日本農薬学会
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.77-88, 2009 (Released:2011-03-05)

T型チューブの嗅覚計を用いて、精油17種類のチャバネゴキブリに対する忌避効果を調べた。柑橘類であるグレープフルーツ、レモン、ライムおよびオレンジより得たものを含む5種類の精油は、70.0から96.7%の範囲で良好な効果を示した。各精油はワモンゴキブリおよびクロゴキブリに対しても同等の活性を示した。ガスクロマトグラフィー(GC)およびGC-質量分析の解析から、柑橘油類のこの効果における主成分はリモネン、β-ピネンおよびγ-テルピネンであり、特にリモネンが主な成分であることがわかった。これらの化合物の忌避効果は用量とゴキブリの種によって異なった。オレンジ油を除く柑橘類の精油では、微量成分も忌避活性に寄与しているようであった。オレンジ油の場合には、活性の発現にはほとんどリモネンのみがかかわっていた。柑橘油および各テルペン類の活性において、3種類のゴキブリに対する忌避効果にはほとんど差がなかった。
著者
大澤 俊彦
出版者
日本農薬学会
雑誌
Journal of Pesticide Science (ISSN:1348589X)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.S93-S101, 1992-05-20 (Released:2010-08-05)
参考文献数
21
被引用文献数
1 1
著者
鈴木 聡
出版者
日本農薬学会
雑誌
Journal of Pesticide Science (ISSN:1348589X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.7-15, 1996-02-20 (Released:2010-08-05)
参考文献数
20
被引用文献数
2 3

東日本の9県において各試験場内で雨水を採取して, MEP, マラソン, ダイアジノン, BPMC, IBP, モリネート, シメトリン, ディルドリン, およびイソプロチオランの残留量を月ごとに1989年から1992年まで経年調査した. 水田に散布される地上防除用農薬の雨水による年間降下量はモリネート>IBP>シメトリン (不検出) の順であり, 薬剤の蒸気圧とともに, 使用剤型の影響を受けていると推察された. モリネートは冬期にも検出され. 環境中に長く残留していることが考えられた. MEPの雨水中の検出量は調査した各県とも年間20~100μg/m2であり, 地域による偏在性はみられなかった. その要因として, 各県での出荷量が多く, とくに乳剤, 粉剤の使用が多く, そして空中散布が実施されていること, 気相中の半減期が長いこと等が考えられた. 環境中での半減期がきわめて短いマラソンとダイアジノンの検出量は年間10μg/m2の場合が多かった. しかしBPMCは調査5県のうち3県で年間降下量が100μg/m2を超え, イソプロチオランは栃木のみの調査結果だが300μg/m2を超えており, 地上および空中散布の使用が多いためと考えられた.多くの農薬の検出量は夏期に多く, それぞれの使用時期に検出ピークが認められた. 作物の適用範囲の広いMEP, マラソン, ダイアジノンはわずかだが, 冬期においても検出された. 現在使用されていないディルドリンはまったく検出されなかった. 農薬の降下量と県レベルの出荷量との関連性ははっきりしなかったが, 各農薬の使用時において濃度は低いがその検出量および検出時期がほぼ一致していたことから, 使用されている農薬の雨水への残留は散布地点周辺に限定され, 広域的な大気拡散は少ないと推定された.
著者
鈴木 聡
出版者
日本農薬学会
雑誌
日本農薬学会誌 (ISSN:03851559)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.7-15, 1996-02-20
参考文献数
30
被引用文献数
3

東日本の9県において各試験場内で雨水を採取して, MEP, マラソン, ダイアジノン, BPMC, IBP, モリネート, シメトリン, ディルドリン, およびイソプロチオランの残留量を月ごとに1989年から1992年まで経年調査した.水田に散布される地上防除用農薬の雨水による年間降下量はモリネート>IBP>シメトリン(不検出)の順であり, 薬剤の蒸気圧とともに, 使用剤型の影響を受けていると推察された.モリネートは冬期にも検出され.環境中に長く残留していることが考えられた.MEPの雨水中の検出量は調査した各県とも年間20&acd;100μg/m^2であり, 地域による偏在性はみられなかった.その要因として, 各県での出荷量が多く, とくに乳剤, 粉剤の使用が多く, そして空中散布が実施されていること, 気相中の半減期が長いこと等が考えられた.環境中での半減期がきわめて短いマラソンとダイアジノンの検出量は年間10μg/m^2の場合が多かった.しかしBPMCは調査5県のうち3県で年間降下量が100μg/m^2を超え, イソプロチオランは栃木のみの調査結果だが300μg/m^2を超えており, 地上および空中散布の使用が多いためと考えられた.多くの農薬の検出量は夏期に多く, それぞれの使用時期に検出ピークが認められた.作物の適用範囲の広いMEP, マラソン, ダイアジノンはわずかだが, 冬期においても検出された.現在使用されていないディルドリンはまったく検出されなかった.農薬の降下量と県レベルの出荷量との関連性ははっきりしなかったが, 各農薬の使用時において濃度は低いがその検出量および検出時期がほぼ一致していたことから, 使用されている農薬の雨水への残留は散布地点周辺に限定され, 広域的な大気拡散は少ないと推定された.
著者
間下 大樹志 小石原 暉 福井 康祐 中村 英光 浅見 忠男
出版者
日本農薬学会
雑誌
Journal of Pesticide Science (ISSN:1348589X)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.71-78, 2016-08-20 (Released:2016-08-23)
参考文献数
36
被引用文献数
19

近年,ストリゴラクトンの生合成や情報伝達に関する研究は飛躍的に進展しており,ストリゴラクトン加水分解活性も併せ持つストリゴラクトン受容体D14の構造に関してもその結晶構造が詳細に解析されている.筆者らはこれまでにD14とストリゴラクトンの相互作用について解析し,X線結晶構造解析によりD14によるストリゴラクトン加水分解産物であるD-OHがD14に再認識されることを見出した.本研究ではこの結晶構造解析情報を利用してファーマコフォアモデルを構築しin silicoスクリーニングを行い,約470万の化合物ライブラリーの中から受容体に結合することが予測された候補化合物XM-47を得た.またXM-47は水溶液中で容易に2-methoxy-1-naphthaldehyde (2-MN)へと加水分解することが予測されたが,酵母ツーハイブリッド系やイネへのストリゴラクトン作用の解析系を用いた実験の結果,2-MNがストリゴラクトン情報伝達阻害剤として機能することが示された.
著者
宍戸 孝
出版者
日本農薬学会
雑誌
Journal of Pesticide Science (ISSN:1348589X)
巻号頁・発行日
vol.3, no.Special, pp.465-473, 1978-12-20 (Released:2010-08-05)
参考文献数
50
被引用文献数
1 1

This review summarizes recent research on the metabolism of pesticides by GSH conjugation, the role of this reaction in pesticide selectivity in mammals and plants, and characteristics of GSH S-transferases. GSH conjugation occurs with organophosphorus insecticides, γ-BHC, organothiocyanate insecticides, s-triazine herbicides, thiocarbamate sulfoxides, fluorodifen, EDB and monofluoroacetic acid. GSH S-transferases are widely distributed in mammals, birds, fishes, insects, plants and microorganisms. The highest activity is found in the mammalian liver and microorganisms are low activity. Plant enzymes are very stable. GSH S-transferases from mammals and insects comprise a group of enzymes which have overlapping substrate specificities. Chemical structures possessing an electrophilic center, high SN reactivity, and the reactive center of low electron density can conjugate readily. The formation of a GSH conjugate destroys the biocidal properties of the parent molecule. The function of GSH S-transferases may be regarded as biological protection against electrophilic foreign compounds which have the capacity to bind to biological molecules with nucleophilic centers. The qualitative and quantitative differences in GSH S-transferases distributed in various organisms are closely associated with insecticide or herbicide selectivity and insecticide resistance. Dichloroacetamide antidotes act in corn to induce GSH and GSH S-transferase, resulting in rapid detoxication of thiocarbamate sulfoxides.
著者
冨澤 元博 大塚 博子 宮本 徹 山本 出
出版者
日本農薬学会
雑誌
日本農薬学会誌 (ISSN:03851559)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.49-56, 1995-02-20
被引用文献数
6

シビレエイ電気器官のニコチン性アセチルコリンレセプターイオンチャンネル複合体へのイミダクロプリド関連化合物を含む各種リガンドの効果について, アセチルコリン(ACh)認識部位のプローブである[^3H]α-ブンガロトキシンおよびイオンチャンネル内のアロステリック部位のプローブである[^3H]フェンサイクリジンを用いたラジオレセプターアッセイにより検討した.ニコチン, アナバシン, カルバコールおよびシチシンはアゴニストであり, DMPP, コニイン, ネライストキシン, d-ツボクラリンはACh認識部位とアロステリック部位の双方に作用し, フェンサイクリジン, TCP, クロルプロマジン, メカミラミン, ロベリンおよびトリメタファンはアロステリック部位に作用する非拮抗的遮断薬であることを認めた.イミダクロプリド, 6-クロル-PMNIおよびアセトアミプリドは弱いアゴニスト作用を示したが, NMTHT, ニテンピラムなどには弱いアゴニスト作用とともにイオンチャンネル内に存在するアロステリック部位への弱い作用が認められた.
著者
多和田 真吉 福田 雅一 スアン トラン・ダン デバ ファラ
出版者
日本農薬学会
雑誌
Journal of pesticide science = 日本農薬学会誌 (ISSN:1348589X)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.40-43, 2008-02-20
被引用文献数
1 22

沖縄では二種類の熱帯植物,ギンネム(Leucaena leucocephala)およびゲットウ(Alpinia zerumbet)の総合利用に関する研究が展開されてきた.ギンネムはタンパク質含量が豊富で飼料としての高い可能性を有している.しかし,摂取すると動物に害をもたらすミモシン(β-[N-(3-hydroxy-4-pyridone)]-α-aminopropionic acid)が存在するために利用が制限されていた.無毒化酵素のミモシナーゼをギンネムの葉から精製し,アミノ酸配列を決定することをもとにcDNAのクローニングを行った.ゲットウからの精油製造と繊維単離の工程で生じる多量の残渣および残液が廃棄されている.新鮮なゲットウの葉もしくは根,そして残液から精油,dihydro-5,6-dehydrokawain,および有用な抗酸化抽出物を得る抽出方法を開発した.
著者
Andrew J. Crossthwaite Aurelien Bigot Philippe Camblin Jim Goodchild Robert J. Lind Russell Slater Peter Maienfisch
出版者
日本農薬学会
雑誌
Journal of Pesticide Science (ISSN:1348589X)
巻号頁・発行日
pp.D17-019, (Released:2017-07-29)
参考文献数
158
被引用文献数
11

ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)は,カチオン選択性細孔の周囲に配置された5つのタンパク質サブユニットからなるリガンド作動性イオンチャネルである.いくつかの天然および合成殺虫剤は,nAChRと相互作用することによってその効果を表す.ここでは,ネオニコチノイドとその関連化合物の標的害虫に対する薬理作用についてまとめた.無脊椎動物に内在するnAChRを構成するサブユニットの量比は不明であるが,昆虫の受容体調製物において,ネオニコチノイド結合部位の存在が明らかにされ,これら殺虫剤は広範囲のnAChRに対して異なる薬理作用を表すことが示された.スピノシンは,主に鱗翅目のような咀嚼害虫を防除するために使用されるに対して,ネライストキシン類縁体は接触および浸透作用を介してイネおよび蔬菜害虫に使用されるが,これら殺虫剤の薬理作用は特有で,ネオニコチノイドの薬理作用とは異なる.
著者
日本チバガイギー株式会社農薬本部開発普及部登録課 株式会社エス・ディー・エスバイオテック企画開発部
出版者
日本農薬学会
雑誌
日本農薬学会誌 (ISSN:03851559)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.307-309, 1986-05-20

カルブチレートの安全性評価のための各種毒性試験の結果, 本剤は急性毒性がきわめて低く, 眼に原体ではきわめて軽度の刺激性を有するものの皮膚に対してはまったく刺激性を有しない.また, 亜急性毒性試験での本剤の最大無作用量は15mg/kg/日(雄)であり, 細菌を用いた変異原性試験はいずれも陰性を示した.本剤は造林地下刈用および非農耕地用除草剤としてそれぞれ昭和57年および58年に農薬登録され, これらの分野で有用な資材の一つとなっている.