著者
梅林 健太 Lehtomaki Janne J 鈴木 康夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.260, pp.133-138, 2011-10-19

プライマリユーザとセカンダリユーザ間のダイナミックス周波数共用におけるOR-ruleに基づく協調センシングのための効率的な情報収集法の検討を行う.OR-ruleに基づく協調センシングでは,FC (Fusion Center)は少なくとも1台の協調セカンダリーユーザが"1"と判断を下したかどうかを知れば良い.よって,情報収集のために直交チャネルを割り当てることは効率的とは言えない.本稿で提案する決定融合のアプローチでは,"1"と判断したセカンダリユーザは同一のタイムスロットで正弦波(continuous wave : CW)を送り,FCはそのクイムスロット内でCWを検出した場合に最終判断を"1"とする.この情報収集では,情報収集のチャネルのゲインが高いとしても,セカンダリユーザ間信号の打ち消し合いによる情報収集の通信品質が劣化するという問題がある.この問題に対して,本稿ではセカンダリユーザヘの送信電力割り当て法を提案する.これにより,打ち消し合いの影響を軽減することが可能となる.本提案方式は,非常にシンプルであるが効果的であり,ほぼエラーフリーの情報収集が高いチャネルゲインにおいて可能であることを示す.