著者
Liz ALLEN
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.71, no.9, pp.404-407, 2021-09-01 (Released:2021-09-01)

学術出版システムは変革を遂げている。研究のオープンアクセス(OA)化を求めるポリシーや,研究を迅速に発見・アクセスでき,利用可能な形式やフォーマットで提供することへの需要が高まっていることを背景に,ほとんどの学術雑誌がデジタルソリューションを提供するために動いている。F1000などの多くの出版社は,単なるOAの提供に留まらず,知識へのアクセスと使用を民主化できる出版ソリューションの開発に取り組んでいる。本記事では,学術出版における最近の変化の要因とその影響を説明し,考えられる今後の動向について考察する。また,F1000を例として,出版社と研究システムにおけるその他の利害関係者(特に研究助成機関)との密接な連携がもたらすことができる,研究の使用,再利用,およびその影響の可能性を最大化する上で鍵となるイノベーションやカスタマイズされた研究出版ソリューションについて説明する。