著者
HASEGAWA Hideo MATSUURA Keiko ASAKAWA Mitsuhiko
出版者
日本獣医寄生虫学会
雑誌
獣医寄生虫学会誌 (ISSN:1347961X)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.65-71, 2019

輸入され、東京の動物商で飼育されていたペット用のサル、タラポアン Miopithecus talapoin (霊長目: オナガザル科)が死亡し、その剖検により得られ、暫定的にGlobocephalus sp.とされていた線虫について再検討したところ、Ternidens属(円虫上科: シャベルティア科)の雌成虫と雌4期幼虫であることが示された。成虫は現在本属で唯一認められているT. deminutusに近似していた。虫体の形態を記載し、本種がペットのサルから人に感染する可能性について考察した。わが国においてペット用のサルからTernidensが検出されたのはこれが初例である。