著者
MCDONALD Peter
出版者
桜美林大学
雑誌
桜美林論考. 言語文化研究 (ISSN:21850674)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.35-50, 2011-03

最近、原書のテキストから簡略したテキストを授業で使用することが推奨されている。最近の研究では、この簡略化されたテキストが原本と同様に真の学習経験を第二言語学習者に提供していることを多くの研究者が示唆している。しかし、簡略化されたテキストの効用、つまり意味、背景、人物に関するテキストの持つ重要な特徴に関しては、ほとんど研究されていない。そこで、この研究では、簡略化テキスト自体が原書のテキストが持つ潜在的な独自性をどのように変更され、この変更に対して機能的な文法表現をどのように採用されているかを研究することを目的とする。この研究を進める上で、アーサー・コナン・ドイル(Arthur Conan Doyle)の`The Copper Beeches' の冒頭部分を抽出し、そのオープニングの表現をリチャード・ゲアリー(Richard Geary)の簡略テキストを使用し比較する。さらに、これらの発見が授業に対してどのような意義があるのかを検討していく。