著者
中島 正明 Masaaki Nakashima
出版者
安田女子大学
雑誌
安田女子大學紀要 = Journal of Yasuda Women's University (ISSN:02896494)
巻号頁・発行日
no.47, pp.103-117, 2019

今日、ますますその度合いを深めていく高度情報通信ネットワーク社会の中で、学校教育におけるICT(情報活用能力)に大きな期待が寄せられている。それと同時に、スマホ依存症など青少年を取り巻く問題状況が指摘されている。一方、すでに教育界では30年以上にわたってNIEが実践されてきた。ところが、その取り組みは記事の読み比べにとどまり、今ひとつ利用の仕方に広がりを感じられない。さらに、今日的な教育課題としてESDという新たな国際的・地球規模での実践が指摘されている。生活全般に渡ってグローバル化が進みつつある現代および将来において喫緊の教育課題として、それを避けて通ることはできない。そこで、ESD、ICT、NIEという3つの要素をリンクさせた新しい教育実践を構想し、新学習指導要領の実施に向けてNIEの新しい在り方・教育方法としての有効性と可能性を検証した。 特に、全教科でNIEを活用できることを実証することによって、教員養成課程におけるICT教育の在り方を見直すことを提示したい。