著者
三宅 正弘 野津 美絵 Masahiro Miyake Mie Nozu
雑誌
生活環境学研究
巻号頁・発行日
no.1, pp.66-69, 2013-09-01

「団体観光旅行から自発的発信の旅へ」 今日,わが国がおかれている国際的立場としては,もちろ んヨーロッパをお手本にするような時代とはいえず,むしろ わが国がいかに知を発信し,知恵を磨くかということである ことは,周知の事実といえよう。したがい,本学の教育にお いても当然,そのことを理解すべきであり,ことさら海外に おける研修となれば,さらにそのことをうけとめなければな らないだろう。そこで,その一歩としてできうることは,ま ず自国を知り,自国の何が発信でき,また何を磨くべきか を,考えることかもしれない。また技術を国際的に発信して いる場を知り,ひるがえって参加学生が,武庫川女子大学で 何をすべきかを考えることかもしれない。その意味で考える ならば,世界中から技術を集め,自国の文化として世界に知 恵を発信しているパリの3つ星レストラン等で研修を行うこ とは無意味とはいえまい。また器からテーブル,内装,建 築,美観まで,トータルな環境造形が考えられている希少な 事例といえよう。しかし,こうした研修では,事前研修がな ければ成立しない。この小稿では紙面の制約もあり,以下に おいて,本研修において特に重視した事前研修および,研修 方法について述べることとする。本研修に際しては,学院お よび,着物着付け練習などに際し,鳴松会の難波優見先生, 奥野温子先生に多大なご協力をいただいた。元被服学科とい う本学科の歴史を感じたとともに,本学科らしい研修のため に卒業生のご協力に感謝いたします。また学院から,引率教 員に準備費用をいただいた。費用は学生用の教材として,移 動中の料理や地方菓子などに活用させていただいた。記して 謝意を表します。