著者
Miki Hara-Yokoyama
出版者
FCCA(Forum: Carbohydrates Coming of Age)
雑誌
Trends in Glycoscience and Glycotechnology (ISSN:09157352)
巻号頁・発行日
vol.25, no.146, pp.215-225, 2013 (Released:2013-11-25)
参考文献数
40

リンパ球表面抗原CD38は、1回膜貫通型の糖タンパク質である。CD38は哺乳類の主要なNAD+グリコヒドラーゼであり、脂質ラフトに局在して細胞増殖・細胞死を誘導するシグナル分子としても機能する。筆者らは、細胞膜上におけるCD38の四量体形成の構造基盤を明らかにした。四量体構造の形成は、CD38の触媒活性部位の維持と脂質ラフトへの局在化に重要である。またN型糖鎖は、CD38の四量体構造がさらに会合することを抑制する位置に存在する。糖鎖は膜上でのアセンブリを介してCD38の機能を制御することが示唆された。