著者
北村 瑞穂 Mizuho Kitamura
雑誌
四條畷学園短期大学紀要 = Annual reports of Shijonawate Gakuen Junior College
巻号頁・発行日
vol.45, pp.30-38, 2012

本研究では、親切行動を心がけさせる介入と、親切にされたことへの感謝の表明を心がけさせる介入をそれぞれ実施し、1ヶ月後に親切行動への動機づけや親切行動の生起や主観的幸福感の高まりが見られるかを比較検討した。実験協力者は女子短期大学生82名(感謝群18名、親切群35名、統制群29名)であった。介入の結果、感謝群の親切行動への動機づけが高まった。さらに親切群の親切行動を実行する人数が増えた。また、介入直後の嬉しかった・感謝した経験が介入群は統制群より高いため、これらの介入が親切行動への動機づけやポジティブな感情の認知につながる可能性が示唆された。しかし主観的幸福感については感謝行動と親切行動の介入の効果は確認できなかった。