著者
MUNECHIKA Isao NOZAWA Kohei SUZUKI Hitoshi
出版者
日本鳥学会
雑誌
日本鳥学会誌 (ISSN:0913400X)
巻号頁・発行日
vol.47, no.4, pp.133-138, 1999
被引用文献数
2

ヤマドリ属とキジ属の分類は定かではなく,1つの属とする説と分離独立させるとする2つの説があり,いまだ論争が続いている.ヤマドリ属(genus <i>Syrmaticus</i>)の分類学的位置づけを確定するため,キジ属(genus <i>Phasianus</i>)および両属に近いとされるコシアカキジ属(genus <i>Lophura</i>),カンムリキジ属(genus <i>Catreus</i>)の類縁関係について <i>Cyt-b</i> 遺伝子配列の比較から検討をおこなった.<br>1)ヤマドリと2)オナガキジと3)カラヤマドリ•ビルマカラヤマドリ•ミカドキジと4)ウチワキジ•エボシキジ•ニホンキジがそれぞれクラスターを形成した.分類学的位置づけが論議されているエボシキジ(Cheer Pheasant)はニホンキジ(Green Pheasant)のクラスターに含まれ,ヤマドリ属(genus <i>Syrmaticus</i>)よりもむしろキジ属(genus <i>Phasianus</i>)に近かった.