著者
橋本 由里 宇津木 成介 Yuri HASHIMOTO Narisuke UTSUKI
雑誌
島根県立大学短期大学部出雲キャンパス研究紀要 (ISSN:18824382)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.11-17, 2011-03-18

動物に「こころ」があるかどうか定かではないが、動物への共感は人間らしさの原点になっている。本研究では、動物に「こころ」の作用を認めない者ほど攻撃性が高く、共感性が低いという仮説のもとに、ラスムッセンら(1993)の調査対象を植物や無生物にまで拡張し、心的機能に関する大学生の認知の仕方が、攻撃性や共感性を含む情動知能とどのように関わっているのかを調べた。その結果、攻撃性の高い者ほど対象に心性を認めないこと、共感性が高い者ほど対象に心性を認めることが明らかになった。ペット飼育や動物園における動物との接触体験等が動物への共感性を育成する可能性が示唆された。