著者
Nobuhiro Yuki
出版者
FCCA(Forum: Carbohydrates Coming of Age)
雑誌
Trends in Glycoscience and Glycotechnology (ISSN:09157352)
巻号頁・発行日
vol.11, no.62, pp.345-353, 1999-11-02 (Released:2010-01-05)
参考文献数
53
被引用文献数
3 4

ウシ脳ガングリオシド注射後にギラン・バレー症候群患者が発生した。一方、カンピロバクター・ジェジュニ腸炎後の発症するギラン・バレー症候群患者では、GM1ガングリオシドに結合するIgGクラスの自己抗体がしばしば検出される。ギラン・バレー症候群の亜型とみなされているフィッシャー症候群では、GQ1bガングリオシドに反応するIgGクラスの自己抗体が上昇している。われわれは、ギラン・バレー症候群患者から分離されたカンピロバクターのリポ多糖とGM1との糖鎖相同性の存在を明らかにした。さらに、フィッシャー症候群患者から分離されたリポ多糖とGQ1bとの糖鎖相同性も見出した。病原体とガングリオシドの糖鎖相同性が、抗ガングリオシド抗体産生とそれに引き続いて起こるギラン・バレー症候群、フィッシャー症候群発症に関与しているにちがいない。