著者
Brussow Klaus-Peter Torner Helmut Ratky Jozsef 眞鍋 昇 TUCHSCHERER Armin
出版者
Japanese Society of Animal Reproduction
雑誌
The Journal of reproduction and development (ISSN:09168818)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.249-257, 2006-04-01
被引用文献数
1

ブタにおいては卵管における貯留精子の放出と排卵の関連には不明な点が多い。あらかじめ子宮角頭部に少量の精子を注入した卵子除去法、メスブタの卵管内に卵子-卵丘細胞複合体を注入した後、卵管を摘出して膨大部、頭部と尾部の精子数、初期胚数と発生ステージなどを調べた。卵子-卵丘細胞複合体を注入しない場合と比較して膨大部と頭部の精子数が増加した。この効果はnon-sulfaed glycosaminoglycan hyaluronan(HA)とともに卵子-卵丘細胞複合体を注入した場合に顕著であり、受精して胚盤胞まで発生が進む初期胚の割合も高くなった。これらから、ブタでは卵管の精子貯留部からの精子放出に卵子-卵丘細胞複合体が影響し、HAがその効果を高めることがわかった。