著者
伊藤 幹太 Reijer Grimbergen
雑誌
ゲームプログラミングワークショップ2017論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, pp.183-188, 2017-11-03

囲碁のトップ棋士に人工知能が勝利し,完全情報ゲームにおける強い人工知能の研究はおおむね決着がついた.次の題材として不完全情報ゲームである人狼ゲームが注目されており,人狼知能の研究が行われている.人狼ゲームは一般的に有効とされる通説が存在するが,人間が用いる戦術を分析した研究はあまり行われていない.そこで本研究では人間同士で行われた人狼ゲームの対戦ログの分析を行い,2つの戦術を発見した.1つ目は自身に処刑の投票を誘導する戦術である.2つ目は村人騙りといった戦術である.また,既存の人狼知能ではこれらの戦術を用いていないことを示し,人狼知能に導入する際の方法について提案手法を述べた.その結果,自身に処刑の投票を誘導する戦術は既存の人狼と比較して勝率が5%増加することを示したが,村人騙り戦術は勝率が変化せず有効性を見出すに至らなかった.しかし,勝率が変化しなかったことから有効ではないと断言することはできないが,戦術についてより考察を行うことで有効的に使用できるのではないかと考えた.
著者
万 鵬 Reijer Grimbergen
雑誌
ゲームプログラミングワークショップ2016論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, pp.162-166, 2016-10-28

戦略的な思考は経済分野,軍事分野などいろいろな分野で使用されている. 本研究では, RTSゲームのStarCraft2環境で戦略的な思考が出来る人工知能の実験をする.相手より戦略優位に行くことが出来れば, 戦略的な思考の人工知能を有効と判断する.
著者
平井 弘一 Reijer Grimbergen
雑誌
ゲームプログラミングワークショップ2016論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, pp.158-161, 2016-10-28

近年,ユーザーが見ている重要な情報をアイコンが覆い隠さないように,焦点付近からずらして表示する研究が行われている.今後,アイコン位置を動的に決定することもあると思われる.このようにアイコン等の表示位置を自動的に調節する場合,人間の視覚特性を理解したAIが行うことが有用であると考え,AIに人間の視覚特性を付与する.本研究では人間の視覚特性のうち,周辺視と呼ばれる部分における特性の一つである正確な位置や形が認識できないという特徴を再現することとした.研究の第一歩として単純な環境であるゲームを用いる.ゲームのジャンルは視野全体を使う弾幕シューティングを選んだ.弾幕シューティングをプレイするAIに人間の周辺視の特徴の一つである,位置を正しく認識できない特性をつける.AIは「ゲーム情報の認識」,「移動すべき位置の割り出し」,「移動方向の決定」を繰り返す.この三つの行動のうち,ゲーム情報の認識に関して,正しく認識できない処理を施す.ゲーム情報を正しく認識できないAIとゲーム情報を正しく認識できるAIの動きを比べ,正しく認識できないAIが人間的な動きを行うようになっているか評価する.AIの試験環境として弾幕シューティングゲームを作成し,AIの性能を評価する.