- 著者
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平井 弘一
Reijer Grimbergen
- 雑誌
- ゲームプログラミングワークショップ2016論文集
- 巻号頁・発行日
- vol.2016, pp.158-161, 2016-10-28
近年,ユーザーが見ている重要な情報をアイコンが覆い隠さないように,焦点付近からずらして表示する研究が行われている.今後,アイコン位置を動的に決定することもあると思われる.このようにアイコン等の表示位置を自動的に調節する場合,人間の視覚特性を理解したAIが行うことが有用であると考え,AIに人間の視覚特性を付与する.本研究では人間の視覚特性のうち,周辺視と呼ばれる部分における特性の一つである正確な位置や形が認識できないという特徴を再現することとした.研究の第一歩として単純な環境であるゲームを用いる.ゲームのジャンルは視野全体を使う弾幕シューティングを選んだ.弾幕シューティングをプレイするAIに人間の周辺視の特徴の一つである,位置を正しく認識できない特性をつける.AIは「ゲーム情報の認識」,「移動すべき位置の割り出し」,「移動方向の決定」を繰り返す.この三つの行動のうち,ゲーム情報の認識に関して,正しく認識できない処理を施す.ゲーム情報を正しく認識できないAIとゲーム情報を正しく認識できるAIの動きを比べ,正しく認識できないAIが人間的な動きを行うようになっているか評価する.AIの試験環境として弾幕シューティングゲームを作成し,AIの性能を評価する.