著者
Renato V. IOZZO 羽渕 弘子
出版者
FCCA(Forum: Carbohydrates Coming of Age)
雑誌
Trends in Glycoscience and Glycotechnology (ISSN:09157352)
巻号頁・発行日
vol.3, no.13, pp.327-333, 1991-09-02 (Released:2010-01-05)
参考文献数
28

ヘパラン硫酸のコアタンパク質に脂質が共有結合すると、これらの遺伝子産物と細胞膜間に新しい分子結合が出来ることになる。プロテオグリカンは糖脂質化することで細胞頂上部へのふるい分けと標的となる膜への移動を行ない、細胞表面のプロテオグリカンが酵素反応により敏速に遊離される機構が出来上がる。プロテオグリカンが脂肪酸でアシル化されることは、疎水的な相互作用と、恐らく受容体を介した結合を仲介し、細胞内のプロテオグリカン/プロテオグリカン同士の相互作用の新しい機構を提供し、代謝回転に直接的な役割を果たすかも知れない。脂質を介した繋留に必要となる微細構造上の要求性や複合的なな酵素反応装置が同定出来ると、プロテオグリカンのこの新しい翻訳後の修飾が機能的に重要であることが明らかとなるであろう。