著者
山元 一晃 浅川 翔子 加藤 林太郎 Kazuaki YAMAMOTO Shoko ASAKAWA Rintaro KATO
出版者
金城学院大学
雑誌
金城学院大学論集. 人文科学編 = Treatises and Studies by the Facalty of Kinjo Gakuin University. Studies in Humanities (ISSN:18800351)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.129-139, 2021-09-30

筆者は,看護師を目指す留学生のためのライティング教材の開発を行った。本稿は,開発に至った背景,開発の過程,その内容,想定される使用方法などについて述べる。まず,開発に至った背景については,看護学生・看護師向けのライティング教材を分析し,留学生の日本語教育にそのまま応用することは難しいことを明らかにした。その後,開発の経緯や内容について述べた。看護師と日本語教師が共同で開発にあたり,看護学科で用いられている課題を分析し,その上で必要なものを選んだ。さらに,実際のテキストを示しながら,本書の特徴を述べた。看護実習の流れにそった内容になっており,大きく「実習前」「実習中」「実習後」に分け,形式に関する説明を加え,電子カルテなど実際に看護実習で情報を得るための資源を入れ,ステップアップできる練習問題を豊富に用意した。最後に,想定される使用法や,今後の課題を述べた。
著者
山元 一晃 浅川 翔子 加藤 林太郎 Kazuaki YAMAMOTO Shoko ASAKAWA Rintaro KATO
出版者
金城学院大学
雑誌
金城学院大学論集. 人文科学編 = Treatises and Studies by the Facalty of Kinjo Gakuin University. Studies in Humanities (ISSN:18800351)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.138-147, 2022-09-30

筆者らが作成した看護留学生向けのライティング教材について,実際に使用した学生にインタビューを実施し,その難易度,使いやすさ,有用性などについて検証を行った。その結果,一定程度留学生が役に立ったと感じていることが分かった。「患者情報の記録」「先生とのメール」は有用性が高かったと感じている一方で,「私の理想の看護師」「施設情報」については,既習だったこと,特に難しくなかったことから,役立ったとは感じていなかったようである。また,「看護展開」などは,実際の実習などで課されたものよりも易しく,難易度を上げてもよいのではないかという指摘があった。さらに,領域別に書くことや,実際の患者は合併症を抱えていることなどの相違点があったようである。テキストで扱われていなかった内容として,変更が生じた場合の修正の仕方,指導者への説明やカンファレンスなど口頭でのやりとり,専門用語などについても含めて欲しいとの要望があった。自習で使えるかについては,意見が分かれ,解説があるため自習も可能という指摘があった一方で,最初は自力ではできなかったなどの指摘もあった。