著者
S. M. Lutfor RAHMAN Eiji NAWATA Tetsuo SAKURATANI
出版者
Japanese Society for Tropical Agriculture
雑誌
Japanese Journal of Tropical Agriculture (ISSN:00215260)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.29-38, 1998-03-01 (Released:2010-03-19)
参考文献数
10

バングラデシュの高温期にトマトを栽培するためには耐乾性品種の育成が強く望まれている.このための基礎資料を得ることを目的として, 日本, アメリカ, バングラデシュなどのトマト16品種の耐乾性を評価した.評価した特性は, 収量・開花数・着果数・着果率・果実重・根及び地上部乾物重・開花までの日数・断水期間である.育苗中の断水処理により, 全ての品種で大きく収量が低下したが, その程度は品種により異なった.収量を含むいくつかの特性を総合的に評価した結果, 小型の果実をつける4品種の中ではチビッコが, 中型果実品種5品種の中ではTM 0126が, 大型果実品種7品種の中ではSevernianinが最も優れていた.また, 小型・中型の果実をつける品種群は, 大型の果実をつける品種群より耐乾性に優れる傾向があった.種々の要因を考慮すると, これらの比較的耐乾性に優れる品種の中でTM 0126が最も優れていると考えられ, 今後の育種及び研究材料として有望であると思われる.