著者
安部 清哉 Seiya Abe 学習院大学
出版者
フェリス女学院大学国文学会
雑誌
玉藻 (ISSN:02887266)
巻号頁・発行日
vol.47, pp.A1-A14, 2013-02

日本語の方言分布の特徴的パタンの1つ「南北方言分布境界線」について解説する。同様の言語・方言の境界線は、中国語、朝鮮語、さらには、ヨーロッパのインド・ヨーロッパ語の二大語派であるCentun-Satemの分布境界線にも認めることができる(安部2013.3)本稿では、東アジアの言語史研究として、また、インド・ヨーロッパ語との比較研究においても、重要性の高い南北方言分布境界線の研究の一環として、南北方言境界線をもつ語彙・音韻・文法の諸現象を列挙して概説するものである。