著者
正田 良 Showder Rio
出版者
三重大学教育学部
雑誌
三重大学教育学部研究紀要. 自然科学・人文科学・社会科学・教育科学 (ISSN:03899225)
巻号頁・発行日
vol.56, pp.201-210, 2005-03-31

明治・大正期に義務教育ではないにしても、現在の中等教育の原型とも言えるものが形成される。しかし、数学の幾何に関しては、男女差が甚だしく、不当な性差別が行われていた。その一方で、師範学校女子部では時代を経るにつれて、師範学校男子部との差が軽減されていく。この様子を、時間数や教育内容に関して、教育課程を調べ、また、教科書の緒言などの論調に関しても言及する。この男子に比べて劣るといえる条件の中にも、教科書に見られる教育的な工夫が為される余地があったこと、つまり、新しい工夫の実験の場としての可能性を秘めていたことを指摘する。