著者
Said Salama Moselhy 浅見 忠男 Khalid Omer Abualnaja Abdulrahman Labeed Al-Malki 山野 博之 穐山 忠大 和田 隆之介 山岸 卓矢 彦坂 政志 岩川 純也 岡田 憲典 森 昌樹 Taha Abduallah Kumosani
出版者
日本農薬学会
雑誌
Journal of Pesticide Science (ISSN:1348589X)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.79-82, 2016-08-20 (Released:2016-08-23)
参考文献数
25
被引用文献数
10

ポリアミンは,生長,分化や形態形成といった生体内の基本的な生理過程のみならず様々な環境ストレスへの抵抗性にも関与していることが報告されている.本論文では,ポリアミンの一種であるスペルミジンのイネいもち病に対する抵抗性を高める効果について報告している.まずイネへのスペルミジン処理がイネいもち病への抵抗性を付与することを,続いてサリチル酸シグナル経由の病害抵抗性マーカー遺伝子であるPR1bとPBZ1やファイトアレキシン生合成遺伝子であるCPS4やNOMTの発現を上昇させることを明らかにした.本論文はイネ病害抵抗性におけるスペルミジンの関与を初めて示した点に意義がある.