著者
宮地 隆廣 Takahiro Miyachi
出版者
同志社大学言語文化学会
雑誌
言語文化 = Doshisha Studies in Language and Culture (ISSN:13441418)
巻号頁・発行日
vol.14, no.4, pp.377-400, 2012-03-10

本稿は、地域研究の扱う範囲とアプローチについて、先行研究に対する批判的検討を通じ、その妥当なあり方を提示する。第1に、地域研究の扱う知識の範囲は特定の空間、時代、テーマおよび方法論によって制限されるべきではない。第2に、研究に値する知識は、既存の地域イメージを覆すものか、社会や学界で価値の認められるテーマに関連するものに限られる。第3に、研究のアプローチは、科学的なものと多声的なものに分けられる。