著者
池脇 信直 園田 徹 東 和弘 いけわき のぶなお そのだ とおる あずま かずひろ Nobunao IKEWAKI Tohru SONODA Kazuhiro AZUMA
雑誌
九州保健福祉大学研究紀要 = Journal of Kyushu University of Health and Welfare
巻号頁・発行日
no.20, pp.69-74, 2019-03-25

水素発生装置(スイソニア)から発生する水素ガス(濃度0.1%~ 0.3%)を含む蒸気混合ガスXENを鼻カニューラで吸入した。吸入後、A型およびB型インフルエンザウイルス由来のhemagglutinin(HA)抗原に対する唾液中IgA2抗体価を自主開発の酵素免疫測定法で解析した。その結果、XEN吸入15分後、A型インフルエンザウイルス株(A/California/7/2009/H1N1とA/Hong Kong/4801/2014/H3N2)由来のHA抗原に対する唾液中IgA2抗体価は、吸入前と比較して有意に増加した(P=0.028およびP=0.047)。さらに、XEN吸入15分後、A型とB型インフルエンザウイルス株(A/Singapore/GP1908/2015/H1N1、A/HongKong/4801/2014/H3N2、B/Texas/2/2013/Victoria system、B/Phuket/1307/2013 /Yamagata system)由来のHA抗原(ワクチンタイプ)に対する唾液中IgA2抗体価も吸入前と比較して有意に増加した(P=0.039)。以上の結果から、XENにはHA抗原に対する唾液中IgA2抗体価の増強作用があることがわかった。