著者
Tomi Thurlin Tony Manninen Laura Thurlin 富安 晋介
出版者
日本デジタルゲーム学会
雑誌
デジタルゲーム学研究 (ISSN:18820913)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.115-125, 2008 (Released:2021-07-01)

マルチプレイヤオンラインゲームにおいて、ゲームキャラクタの価値はどのように形成されるのだろうか。プレイヤーの仮想自己全体に影響するような要素は何だろうか。大規模多人数オンラインゲー ム(MMOGs)の歴史を通じて、ゲームキャラクタは全てのゲーム内でのインタラクションと価値認識に おける中心的役割を果たしている。近年では、MMOGは人のアイデンティティの少なくとも一部を売り物にするような段階へと発展してきている。本稿では、仮想自己の具体的な価値構造について分析するために動機づけに関するフレームワークを応用した。その結果、ゲームキャラクタにおける達成、社交性、没入の 3つの要素が、どのようにプレイヤがゲームキャラクタに与える個人的価値を形成してい るのかを明らかにした。また、これらの要素がどのように将来のMMOGにおいて新たなビジネスの可能性を提供するのかについても論じた。