著者
Valeria Fiszelew
出版者
Confederación Académica Nipona, Española y Latinoamericana
雑誌
日本・スペイン・ラテンアメリカ学会誌 (ISSN:13449109)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.75-95, 2020 (Released:2020-11-14)
参考文献数
46

本論文では、中世前期(5~8世紀)のローマカトリック教会の典礼の枠組において、聖書をはじめとする書字がネウマ譜の形成に果たした役割を分析する。カトリックの典礼において朗読することで聖書を理解させるためには、読み手を助けるために、一連の符号システムを開発が必要となった。このシステムはテクストの文法構造と朗読の抑揚を同時に示すことで、ネウマ譜の前身となった。本稿では、ネウマ譜の起源に関する先行研究を検討し、ネウマ譜いかなる歴史的経緯を経て成立したかを示す。