著者
王 淦 Wang Gan
出版者
大阪大学大学院文学研究科 日本語学講座 現代日本語学研究室
雑誌
現代日本語研究
巻号頁・発行日
vol.10, pp.53-65, 2018-03-31

行為や状態の実現の困難を表す接尾辞「-にくい」と「-づらい」を比較すると,「-にくい」は意志動詞にも無意志動詞にも付くのに対して,「-づらい」は意志的な行為を表す動詞に付きやすく,行為の遂行に苦痛が伴うためにその遂行が困難であることを表すと一般に言われる。本稿では,「-づらい」の上接動詞をウェブコーパスによって調査し,無意志動詞と組み合わせられる場合,しばしば表現の背後に実現の困難を感じる主体の存在が想定されることを述べる。