著者
渡辺 千花 Watanabe Chika ワタナベ チカ
出版者
「宗教と社会貢献」研究会
雑誌
宗教と社会貢献 (ISSN:21856869)
巻号頁・発行日
vol.1, no.2, pp.23-48, 2011-10

近年、多くの社会科学者の間では国際支援を行うNGOはネオリベラリズムの統治制度を促進していると批判されてきた。本稿ではネオリベラリズムへの批判では完全に説明できない活動の例として神道系新宗教から生まれた財団法人オイスカを紹介する。特に(1)オイスカと政府関係者の歴史的関係、(2)オイスカの研修活動を主体と客体の相互関係性にもとづいた主体形成の一例として考察する。この視点は宗教とNGOの関連を追究することによって可能であり、ネオリベラリズムの枠を越えたNGO研究の新たな視座を提示する試みである。