著者
William F. Smith-Vaniz 吉野 哲夫
出版者
日本魚類学会
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.18-27, 1985-05-30 (Released:2010-06-28)
参考文献数
27

日本産アゴアマダイ属魚類Opistognathusを再検討した結果, 既知の4種の他にイレズミアマダイO.decorusおよびセトアマダイO.liturusの2新種を確認した.前種は沖縄島, 後種は和歌山県白浜で採集されたものであり, いずれも頭部に顕著な斑点をもつことや背鰭軟条数が11~12と少ないことで, 他種とは明瞭に区別される.イレズミアマダイは鯉耙数が多いこと, 頭部感覚孔数が少ないこと, 両眼間隔が広いこと, 眼径が小さいこと, 眼下骨の形が異なることなどでセトアマダイと区別できる.従来用いられたGnathypopsやMerogymnusはOpistognathusのシノニムであり, 上記の2新種を含めた日本産本属魚類の検索表を作製した.