著者
大野 雄子 吉村 真理子 Yuuko OHNO YOSHIMURA Mariko 初等教育科 初等教育科
雑誌
千葉敬愛短期大学紀要 = BULLETIN OF CHIBA KEIAI JUNIOR COLLEGE
巻号頁・発行日
no.28, pp.175-185, 2006-03-01

大野・吉村(2005a)は幼稚園教諭、保育士を志す集団には、MBTIでいうF(感情)指向を示す者が多く、それに村する劣等機能が優勢なT(思考)指向の者が少ないことを明らかにした。本研究は、幼稚園教諭、保育士などを志望する学生に具体的な場面を仮想してもらい、そこで子どもをどのように指導をするかをF指向、T指向別に質的な違いを明らかにした。その結果、「公平な判断をする」という一場面に於いて、F指向の対象者は、子ども達の気持ちが同じように納得する判断を優先するのに対し、T指向の対象者は、普遍的な基準を用いた判断を優先した。ところが子どもの性格によって受け入れが容易な場合とそうでない場合が予想でき、特にF指向の教師が多い教育現場では、T指向の子どもが自分の得意でない判断の仕方を強いられることになり、活動意欲や自己肯定感を高める支援としては適切でない。そこで、教師が自分の性格を意識することは、子どもを理解することや「教える」というアクションプランを考えるうえで重要であることが指摘された。
著者
大野 雄子 吉村 真理子 Yuuko OHNO YOSHIMURA Mariko 初等教育科 初等教育科
雑誌
千葉敬愛短期大学紀要 = BULLETIN OF CHIBA KEIAI JUNIOR COLLEGE
巻号頁・発行日
no.28, pp.163-174, 2006-03-01

本研究では、幼稚園教諭、保育士を志す短期大学生を対象にC.G.Jungのタイプ論にもとづき作成された質問紙MBTIを実施した。その結果、幼稚園教諭、保育士を志す集団にはF(感情)指向を示す者が多く、それに対する劣等機能が優勢なT(思考)指向の者が少ないことが明らかになった。一般に、人は自分の性格傾向と対極の位置する性格傾向を有する者を理解することが容易ではない。従って、幼稚園教諭、保育士を志す集団にはF(感情)指向を示す者が多いとなると、職場において接する子どものうちT(思考)指向を示す者の理解に困難があることが予想される。幼児教育、保育の現場ではこのような点を自覚することの重要性が指摘された。