著者
鶴岡 詳晁 Yoshiaki Tsuruoka 千葉経済大学 Chiba Keizai University
出版者
千葉経済大学
雑誌
千葉経済論叢 = The Chiba-Keizai ronso (ISSN:0915972X)
巻号頁・発行日
no.31, pp.1-15,

わが国の自動車産業は、大手のトヨタ、ホンダ、日産、マツダなどが2004年9月中間決算では過去最高の業績をあげた。そのなかにあって欠陥車問題を抱えた三菱自動車のみが不振をきわめている。死亡事故までもひき起したのは、三菱自動車工業が過去に生産したトラックであって、トラック・バス部門を分社化した現在の三菱自動車が生産している乗用車ではない。しかし、三菱のマークをつけたクルマは安全でないという庶民感情から国内での三菱のクルマは販売不振に陥っている。消費者の安全の確保から、欠陥車を全てリコールしてまず安全をとりもどし、つぎに消費者の選択の拡大から、消費者が買いたくなる車づくりができるかが三菱自動車の緊急の課題である。この小論は、2004年12月末までの三菱自動車の再建についてまとめたものである。