著者
渡邉,正人
出版者
障害科学学会
雑誌
障害科学研究
巻号頁・発行日
vol.33, 2009-03-25

視力検査視標のコントラストが視力に及ぼす効果を明らかにすることを目的として、弱視シミュレーションレンズを用いて晴眼者20名に視力検査を実施した。弱視シミュレーションとして、屈折異常条件と混濁条件を設定した。視力検査は、コントラストポラリティが異なる視力検査表と対比視力表を用いて実施した。その結果、屈折異常条件と混濁条件について、コントラストポラリティが黒背景に白文字条件の方が白背景に黒文字条件よりlogMAR値が有意に低いことが明らかとなった。対比視力表についてのlogMAR値は、屈折異常条件ではコントラストレベルが51.6%と31.6%の間ならびに17.8%と10%の間に、また、混濁条件では51.6%、31.5%、17.8%、10%の間にそれぞれ5%水準で有意差が認められた。以上より、弱視シミュレーション下の見え方は、コントラストポラリティでは白黒反転効果があり、コントラストレベルではコントラスト感度に影響を受けることが示唆された。

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