著者
石川,幹人
出版者
情報文化学会
雑誌
情報文化学会誌
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, 2000-11-18

本論文は, メディアがもたらす環境変容に関する意識調査の一例を報告し, それを通して, メディア環境の設計における意識調査の役割の重要性を指摘する。本研究では, 電車内の携帯電話使用は控えるべきというマナーに注目し, 大学生の意識を調査した。いくつかの社会学の文献では共同体仮説(マナーは携帯電話が電車内の一時的な共同性を破壊することに由来する)が提唱されているが, 本調査では音仮説(マナーは単に音がうるさいことに由来する)のほうが有力であるといった結果が得られた。しかし, 共同体仮説を支持する少数意見も得られた。また, 心理的な不安傾向との相関も調査したが, 顕著な相関傾向は得られなかった。情報メディアの発展に伴って我々の生活様式に急速な変化が及んでいるので, こうした意識調査を機動的に行って, その結果がメディア環境の良好な設計に反映されることが望まれる。

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@NewKoya そうそう、電車内の通話規制がどんな経緯で導入されたかとかその時の認識はどうだったのかの当時の資料あったから貼っとく https://t.co/9CBvIIrQre

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