著者
塩谷,由美
出版者
日本地質学会
雑誌
地質学論集
巻号頁・発行日
no.47, 1997-04-24

幌満かんらん岩体上部には, 2つの異なるマグマチャネリング様式が認められる。斜長石レルゾライト中の苦鉄質岩タイプGBIの周囲で観察されるチャネリング様式は, 壁岩かんらん岩から部分融解メルトが抽出され, 壁岩にメルト成分の涸渇を生じた様式(1)である。もう1つは, スピネルダナイト中に貫入したウェブステライトダイクの周囲で観察される様式で, 壁岩かんらん岩の涸渇を伴わずに通過マグマから一方的にメルト成分が付加した様式(2)である。このような様式の違いは, チャネリングマグマの温度と壁岩かんらん岩のソリダス温度の差によって生じたと考えられ, 様式(1)のチャネリングマグマの温度は斜長石レルゾライト壁岩のソリダス温度よりも約80℃高かったこと, 様式(2)のチャネリングマグマの温度はスピネルダナイト壁岩のソリダス温度よりも低かったことが議論された。

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あんまりしっかり認識していたわけではなかったが、幌満のウェブステライトレイヤーとはこのことらしい https://t.co/ufR4WFUh5I https://t.co/iIIQGQ2pqL https://t.co/LGDbUyRZ6O

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