著者
松岡,篤
出版者
日本地質学会
雑誌
地質学論集
巻号頁・発行日
no.55, 2000-01-28

付加体研究における放散虫の役割について, 生層序, 古生物地理, 放散虫含有量と堆積岩の物性という観点から研究成果をレビューするとともに, 最近進めつつある検討例を紹介した.生層序学研究に基礎を置く放散虫年代学の進展により, 付加体の成長速度や成長様式について, 定量的に議論を行うことが可能となった.古生物地理に関しては, 今後この分野の研究が進展すると, 付加体形成場の相対的位置関係を議論できるようになることを指摘した.また, "熱帯度"を表現するために, VEN(Vallupus/Eucyrtidiellum Number)という指標を提案した.放散虫の含有量と堆積岩の物性という点については, 放散虫の絶滅事件により相対的に強度の弱い層準(下部トリアス系)が形成され, それが付加体形成時にデコルマ面として機能していることを例にあげた.また, 付加体研究と古海洋学研究を有機的に結びつけていくことの重要性を強調した.

言及状況

Twitter (2 users, 2 posts, 0 favorites)

5) ヴァルプスの分布 2000年に、日本語の論文でもこのヴァルプスの分布について説明しているので、こちらもご紹介。 【論文紹介】※アクセスフリー 付加体研究のツールとしての放散虫 PDFはこちらから↓ https://t.co/pH2lDrbUaO

収集済み URL リスト