著者
松田,康子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, 2000-05-20

調理素材の変化や新しい調理器具の出現によって、従来の調理法とは異なる、より望ましい方法があるものと考えられる。そこで日常の料理をもとに、簡便化を主目的に、各料理をいくつかの器具や操作で調理し、官能評価して、それらの間に差がみられるか否かについて検討した。あじの塩焼き、さけのムニエルでは、降り塩の時間を変えて比較したが、時間の間に有意差はみられず、またみそ漬け前の降り塩の時間の違いについても有意な差は認められなかった。ハンバーグについては、パン粉を牛乳に浸すものと浸さないもの、タマネギを炒めるのと炒めないものとを比較したところ、パン粉を牛乳につけるか否かについては有意差はみれなかったが、タマネギについては嗜好が二分した。厚焼き卵については、卵液を濾したものと漉さないものを比較した結果、有意差はみられなかった。ソテーに用いるホウレンソウの下処理については、適当な長さに切ってから茹でたものが有意に良いと評価された。かぼちゃのコロッケでは、かぼちゃを裏漉す、すりこ木で潰す、フードプロセサーで潰すの三方法に好みが分散した。豚カツについては肉叩きで叩く、叩かないの間には有意差は認められなかった。こんぶとかつお節のだし汁のとりかたについては、こんぶを沸騰直前に取り出さず、かつお節とともに加熱してから濾し取る方法が有意に高く評価された。みそ汁に用いる油揚げについて油ぬきしたものと、しないものについて比較した結果は、両者間に有意差はみられなかった。

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