著者
中町,敦子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, 2004-05-20

デュラム小麦のセモリナ粉100%使用,標準ゆで時間11分のスパゲティを用いて,ゆで時間を5〜20分まで変えて試料を調製し,アルデンテについての官能評価,水分音量・ゆで歩留測定,拡大写真撮影,糊化度測定,破断試験を行い,以下の結果を得た。1)官能検査の結果,9,10,11分ゆでが「アルデンテである」と評価され,10,11分ゆでが「少し芯がある」,「好ましい」と評価されたので,好ましいアルデンテは10,11分ゆでであった。2)日本人のアルデンテの10,11分ゆでは,ゆで歩留2.3〜2.4,水分含量63〜64%に相当し,これらは中心の白い芯がなくなった状態で,糊化度は90%以上であった。イタリア人のアルデンテはゆで歩留2.1〜2.2とすると,ゆで時間8〜9分,水分含量約60%に相当し,中心にまだら状に白い芯が残り,糊化度は約80%であった。3)破断曲線を微分すると,ゆで時間の違いによってダブルピーク,肩,シングルピークの3つに分類された。日本人が好む10,11分ゆではシングルピークの形で,イタリア人が好む8,9分ゆでは肩がある形であった。破断曲線の微分はスパゲティの芯のゆで状態の指標になった。4)20分放置により,拡大写真撮影では中心部への水分移動が見られたが,糊化度はゆで直後と差が認められなかった。また破断曲線の肩はシングルピークになり,破断特性値は全体的に低下した。

言及状況

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パスタ作りすぎて、アルデンテに関する論文を読んでる。赤いゆで汁を使って浸透率を可視化し、異なる文化圏の人に評価してもらう論文が面白い。そもそもイタリア人と日本人でアルデンテの評価が異なり、前者の方が感覚的にデュラム小麦の特性を理解しているという。 https://t.co/jv1IUX5uGr https://t.co/CO7cm1OM2H
地元に戻った際にパスタを作って欲しいと頼まれると思ったので、予習しました。これで完璧!>ゆで過程におけるスパ ゲティの芯の状態変化とアルデンテの評価 https://t.co/KaQcteYUtc

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