著者
栗本瑞見<栗本丹州>//〔著〕,魚仙奥倉辰行<奥倉辰行>//〔画〕
出版者

幕医栗本丹洲(1756-1834)の魚介譜を奥倉辰行が転写した『異魚図纂』と『勢海百鱗』の2点が合冊されている。『異魚図纂』は魚類47品の写生で、異魚は後半部にある。まず目につくのは、ヒレが足のようになり、派手な模様をもつ魚6点が連続して描かれている個所で、これはハナオコゼやイザリウオの類。続いて大きな背ビレと尻ビレをもち、尾ビレが無い魚2点はマンボウ、その数図後にある「纒絲魚」はトゲウオ、「海蛆」はヨウジウオ、「小判鮫」はコバンザメ。最終の図はフリソデウオ(2匹)。酷似した書名の『異魚図賛』(亥二-21)と混同しやすいので、注意。「勢海百鱗 完」とある扉の後が『勢海百鱗』である。海産魚48図とイカ3図、計51図と、図が無く品名とその異名を挙げた38項から成るが、特記すべき点は無い。奥倉辰行(号は魚仙・水生堂、?-1859)は江戸神田の青物商で、狩谷?斎(えきさい)に画才を見いだされ、その進言で魚類の写生に専念し、大著『水族四帖』を描き、『水族写真 鯛部』を出版するにいたった。(磯野直秀)

言及状況

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@okfishfarm ついでというのも失礼ですが、これhttp://t.co/OnqPYQaKKF の「異魚図纂」25コマ目。小石川後楽園の池に水戸から送られたタナゴですが、某週刊百科の編集中に発掘、ヤリタナゴじゃん!と騒動になった画像です。明治期にはいなかったようですが。
@bluegillkun お礼に… http://t.co/OnqPYQaKKF の「異魚図纂」25コマ目。小石川後楽園の池に水戸から送られたタナゴですが、某週刊百科の編集中に発掘、一部研究者は「ヤリタナゴだ!」と騒動になった画像です。明治初期には既に絶滅していたようですが。
@poplacia ですね〜。では凄ネタ投下。 http://t.co/nBMbl0zW 見ただけでアサイさんが喜びそうな古書ですが、25ページのタナゴ。小石川植物園の池(ミヤコタナゴの基準標本採取地)に放されたというこいつはヤリタナゴであろうと。明治の調査では見つかってません。

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