総計170人の戦国武将の馬印を集める。馬印とは、先陣で大将が馬の側に立てて、居所や陣地を示すもの。彩色方法は、金銀泥などは手彩色だが、朱や藍、胡粉の白などは木版印刷によっているようである。天地や左右下方に見当の跡らしき黒線が見られる。墨刷り印刷と色刷り印刷の両方が使われていることから、18世紀に始まる多色刷り印刷錦絵の源流とみられ、江戸初期の最も重要な彩色刷り資料である。上質の料紙が用いられている。伝本は少ない。特に巻6はこれまで知られておらず、6巻6軸の全巻揃いは当館所蔵本が唯一のものである。