出版者
[出版者不明]
巻号頁・発行日
vol.[俊蔭巻]2巻, 1600

『うつほ(宇津保)物語』は20巻、我が国長編小説のはじめとされる。10世紀末頃の成立といわれるが、複雑な成立過程をたどったもののようで、古写本も最初の巻にあたる「俊蔭」以外にはない。清原俊蔭は難船して波斯国に漂着、琴の名器を得て帰国する。その娘は一子仲忠とともに大杉のうつほに暮らし動物に養われるが、のち夫に再会する。掲出本はその「俊蔭」巻のみを古活字版として刊行したもの。無刊記だが、元和・寛永年間刊行とされる。『増補古活字版之研究』によれば、古活字版には2種あり、掲出本は第2種本。ところどころに附訓活字を交える。英国人言語学者で日本古典籍の収集家であったフランク・ホーレー(1906-61)旧蔵。同種伝本は稀で、九州大学、大東急記念文庫で所蔵する。

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@Heike_gatari 面白いお話でした。 うつほ物語、俊蔭巻は古活字版がありますので……ひょっとして版木師の一般知識として、印刷技術史が念頭にあった上での表現でしょうか。 版木を部分修正するときは「入れる」や「埋める」ですのにね。 https://t.co/yFNvpnNyJo

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