- 著者
-
隆達
- 出版者
- 写
内題、外題ともなく、亀甲模様絹布張りの帙に題簽がある。書名はこれによる。綴葉装(列帖装)の両面書写。上欄に十番ごとに数字を記すが、「八十」以降は順序が乱れている。しかし、本文は現状のままの方が続きが自然である。本文に錯簡のあった時代にこの数字が付され、のちに錯簡が正されたものと思われる。歌数は300で、伝本のうち最多を収録。巻末に隆達自筆との古筆了佐(鑑定家古筆家初代。1572-1662)の極めがある。隆達小歌は高三隆達(1527-1611)が節付けした小歌で、当時流行した。自筆と称される写本は多いが、検討を要する。帙見返しに国文学者高野辰之(1876-1947)の識語を貼付。「斑山文庫」は高野の蔵書印。