- 著者
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宗長
- 出版者
- 写
元表紙の墨書外題には「連歌 大永年間」とある。大永2年(1522)8月4日~8日に行われた、宗長、宗碩の両吟千句(通称「伊勢千句」「大神宮法楽千句」等)の注釈。この千句は管領細川高国の立願により、伊勢山田の高向二頭大夫光定邸で行われたもの。第一の百韻の発句は高国、第十の百韻の発句は三条西実隆(聴雪)。この千句については、宗長の『宗長手記』、宗碩の『さののわたり』にも記事がある。注釈はかなり伝存するが、内容には異同が非常に多い。本写本は綴葉装(列帖装)。巻頭に「於大神宮高国御法楽 大永四年八月四日」とあるが、大永四年は二年の誤記。書写年代は室町時代末期か。巻頭から「薄何第四」の中途までには、平仮名、片仮名を交じえた書入れがある。宗長(1448-1532)は宗祇の高弟、宗碩(1474-1533)も宗祇に師事、その没後は宗長の指導も受けた。