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題簽「従江戸奥州津軽迄之道筋之絵図」右わきに付箋があり、不鮮明ながら「佐竹家蔵本」と見える。江戸から奥州街道を北上、桑折(コホリ)で羽州街道に入る久保田(秋田)藩など東北諸藩の参勤交代路沿いの風景を絵画風に描く。地名は主に宿場で、カナ書き。秋田の町は大きく描かれるが、表題にもあるとおり、道筋はそれで終わらず、津軽弘前をへてウトウ(善知鳥、現在の青森市のうち)までを描き、さらに陸奥湾沿いの田名部、対岸にマツマエ南端を線描して終る。新庄より先は、及位(ノゾキ)から雄勝峠をこえ院内、湯沢、横手経由のほか、酒田に下って日本海沿いを北上して秋田にいたるルートも描かれる。年代は不詳ながら、文化元年(1804)の地震で隆起・陸化した象潟は水面として描かれている。