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ルンフィウス(G・E・Rumphius)著『アンボイナ珍品集成』(D'Amboinsche Rariteitkamer、1705年刊:WB31-21)はモルッカ諸島近海の無脊椎動物誌で、無彩の60図版から成り、江戸時代には「ラリテート」と称して、その図が方々に転写されている。本資料はそのうち31図版を墨筆で転写したもので、貝類が大半を占めるが、ウニ・ヒトデ・クモヒトデなども多少含まれる。品数は計376品。いずれもかなり正確な転写である。原本では図版と別に各品の記文があるが、本資料では省略されており、翻訳も一切無い。曽我二直庵の2印が捺されているので『本草関係図書目録』は同人写とするが、二直庵は慶長(1596-1615)の頃の画家であり、時代的に合わない。印が後代に伝わって、本資料を古く見せかけるために使用されたに違いない。現段階で、転写者は不明である。(磯野直秀)