- 著者
-
鳥山石燕豐房 画
- 出版者
- 長野屋勘吉
- 巻号頁・発行日
- 1805
鳥山石燕画、妖怪絵本。半紙本3冊。天明4年(1784)春原刊、文化2年(1805)求板、伊勢洞津・長野屋勘吉。絵師署名「七十三翁 鳥山石燕豊房画」。薄墨入り。『画図 百鬼夜行』『続百鬼』『百鬼夜行拾遺』に続く妖怪画集で、同シリーズの人気のほどが偲ばれる。題名「百器徒然袋」の「器」は器物の意で、日常的な生活に関わる器物の妖怪化を多く試みた『百鬼夜行絵巻』に基づきながら、それに『徒然草』のテキストを絡めたものが多い。妖怪のどことなく剽軽な表情は、『画図 百鬼夜行』以来のもので、妖怪図と詞書きによる画面構成は『続百鬼』以来。中身はすべて夢中に感得されたものとし、古来の器物、事象、語句などについて、それと相似たものを取り合わせ、その妖怪化を図るといったものが多い。(鈴木淳)