- 著者
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鳥山石燕 画
- 出版者
- 長野屋勘吉
- 巻号頁・発行日
- 1805
【百鬼夜行】鳥山石燕画の妖怪図集。半紙本3巻合1冊。安永5年(1776)春原板、文化2年(1805)求板で、求板元は伊勢洞津の長野屋勘吉。初板の板元は、江戸の出雲寺和泉掾と同じく遠州屋弥七。内容は、自跋に「もろこしに山海経、吾朝に元信の百鬼夜行あれは、予これに学てつたなくも帋筆を汚す」とあり、中国最古の地理書『山海経』や狩野元信の『百鬼夜行』を基に、和漢の妖怪100図を描いたとするが、他にも『百物語評判』や『和漢三才図会』を参照したことが確実視される。天狗、山姥、犬神、猫また、河童、狐火、姑獲鳥(産女)、その他、伝統的な妖怪に加え、網剪、鳴屋、反枕など、怪奇現象を巧みに図像化したものや、野寺坊や高女など、出処未詳の妖怪図もある。絵は、薄墨を多用して、妖怪らしい凄絶感を漂わす一方、俳諧的な滑稽味を効かしたものもあり、石燕の機知と技量がいかんなく発揮され、妖怪の図解書として広く人気を集めた。