著者
遼釋行均撰
巻号頁・発行日
1000

中国遼代の僧行均撰の字書。仏典を正しく読むため、音韻・字義を研究し、5年をかけて統和15(997)年に完成したもので、正俗古今の字体を収める。書名は、はじめ『龍龕手鏡』であったが、宋代に「鏡」字が太祖の祖父の諱敬にふれ、「鑑」字に改められた。巻6の巻首書名にのみ「増広」があるが、これは付した方が適当と考え、ここから書名を採った。本書は、字数の多い朝鮮刊本の和刻本で、無刊記の古活字版であるが、元和年間の刊行と推定されている。版心の巻数・丁付に誤植が多いが、当館本は丁寧に墨書訂正が施されている。また、本文中誤植の部分を切り抜き、同種活字で訂正文字を捺した紙片を裏面から貼付した個所が数多く見られる。「僊海」「白河文庫」「桑名文庫」「立教館/図書印」の4印記が押捺されている。当館では、同書をもう2本所蔵する(請求記号:WA7-111、WA7-147)。

言及状況

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竜龕手鑑 (別062-0001): 国立国会図書館が公開済み (例: https://t.co/tns96ZERQd) の古活字本ではあるが、高精細な画像を得られるようになるだろう。増修互註礼部韻略 (別024-0003): 貴重な南北朝期の刊本。

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