1 0 0 0 OA 絵本春の錦

著者
鈴木, 春信
出版者
山崎金兵衛

鈴木春信画。女性風俗絵本。半紙本2冊。明和8年(1771)正月、江戸山崎金兵衛梓。色摺り。春信が没した翌年の刊行。碧玉堂の序に「案に今めかしき風俗を画しわ鈴木氏筆に有、よつて其毫を需て、世に触し錦絵の彩色をくわへ、錦の文字を相続て、春の錦と題し」云々とあり、山崎金兵衛が刊行した春信絵本の中では最初の彩色摺り絵本。上部を雲形に枠取りして和歌を記し、その和歌の意を表した絵を描くという趣向。和歌の出典は明和元年刊の『新続題林和歌集』で、春信は、往来物などの傾向と軌を一にして、当時の堂上歌人の和歌を集めた類題集によって古歌を引くことが多い。色は主に淡色を用い、背景の塗りつぶしや白抜き模様など、彩色の技術を凝らす。描かれる女性の大半は遊女、芸者で、着物は、無紋が多い。和歌的情緒を醸した上品な絵本に仕上げられている。(鈴木淳)

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