著者
戀川好町 戯作
出版者
[和泉屋市兵衛]
巻号頁・発行日
1793

恋川好町(鹿都部真顔)作、歌川豊国画の黄表紙。江戸・和泉屋市兵衛刊。中本3冊。恋川好町は真顔の戯作者名。自序に「みつのとうしの初春 すきや座鋪のあるし真顔題」とあるので、寛政5年(1793)の発刊と知られる。近藤清春作・画の『どうけ百人一首』の黄表紙化。「でんぢでんぞう」(天智天皇のもじり)という百姓を登場させ、娘のおしかと親子3人で正直一遍に世を送り、幸せになるという大筋に、「秋の田のかりほすまでにひよりよく我子供らをらくにすごさん」以下、『どうけ百人一首』の歌詞を作者名とともに適宜、絡める。女性に対する教訓色が強いのは、寛政の改革後の黄表紙の通性といえる。外題に冠称された大谷徳次は、江戸また上方で活躍した歌舞伎役者で、道化方を得意とした。(鈴木淳)(2017.2)

言及状況

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同書には、寛政5年(1793)の黄表紙『大谷徳次どうけ百人一首』の序文の「昔の和考、今の徳、どうけといふも、つこど声」という、九段目の「昔の奏者、今のりん、どうれといふもつかふどなる」を捩った一節も紹介! 道化方といえば、昔は嵐音八、今は大谷徳次。 https://t.co/IcfMqWZL8v https://t.co/efAudOICqY

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