著者
鈴木 晃志郎
出版者
北陸3県地学・地理学会
雑誌
自然と社会 : 北陸
巻号頁・発行日
vol.79, pp.25-35, 2013-08

本研究は, 既報の富山大学人文学部基礎ゼミナール受講生・鈴木(2013 :以下「既報」と略記) で示した富山大生の意識調査の補足調査であり,同論文で実施した回帰分析では充分に明らかに出来なかった被験者の潜在的な回答傾向を因子分析によって明らかにする試みである。 先の研究では、北陸新幹線の開業がもたらす影響についての論点を14項目に整理し、それぞれの重要性を富山大生154人に4段階評価させ、14項目の回答と説明変数、北陸新幹線の開業に対する態度を被説明変数とする重回帰モデルによって分析した。結果、回答者たちは開業に伴う正の効果への期待に専ら関心を向けていることが明らかにされた。本研究はこの回答結果に因子分析を適用することにより、回帰分析では得られなかった潜在的傾向として、開業に伴う負の効果(ストロー効果や並行在来線問題)への危惧を第二因子として抽出した。回答者は負の効果にも関心を払っていたものの、重回帰モデルではそれが被説明変数と有意な関係性を持たなかったために回答結果として表れていなかったことが、本研究によって明らかになった。

言及状況

Twitter (1 users, 1 posts, 0 favorites)

いただいた論文を読みました。 鈴木晃志郎(2013):北陸新幹線開業に対する大学生の態度の潜在的規定要因――因子分析を用いて.自然と社会:北陸 79: 25-35. 鈴木晃志郎君は大学院の後輩にあたる。年齢はそこそこ離れていて,直接お話しした機会はあまりない。 https://t.co/0isFKG6phX

収集済み URL リスト