著者
YOSHIDA Haruyo UEMATSU Shingo YOSHIDA Shinsuke 吉田 信介 TAKEUCHI Osamu 竹内 理
出版者
外国語教育メディア学会(旧Language Laboratory Association)
巻号頁・発行日
1998

本論文は、(1)映像と英語音声+日本語字幕、(2)映像と英語音声+英語字幕、(3)映像と日本語音声+英語字幕の三つの異なる音声と字幕のコンビネーションが、言語獲得の前提となる内容理解にどのように影響するかを実証的に考察したものである。被験者は、日本人中級英語学習者156名で、英語聴解力テストにより3つの等質なグループに分けられた。このそれぞれのグループに、上記の3条件で題材を提示し、その内容理解を調べた。題材にはアメリカ映画の一部を利用した。その結果、(2)→(1)→(3)の順に内容理解が高いことがわかった。この結果を被験者のアンケートなどから得られた結果と総合すると、中級学習者にとっては、多様な情報源(映像、音声、文字)を利用することが困難であり、特に情報が外国語で提示された場合には、外国語字幕→外国語音声の順で困難さが増すことがわかった。本論文では、この結果に基づき、効果的な音声と字幕のコンビネーションの在り方、今後の研究の方向性などについても言及していく。

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