著者
高橋 恵子
出版者
弘前大学保健管理センター
雑誌
弘前大学保健管理概要 (ISSN:02865890)
巻号頁・発行日
no.30, pp.14-21, 2009

大学生の生活習慣に関する意識調査を行った結果,ほとんどの学生は自らの生活習慣を望ましいものと捉えておらず,生活習慣に対する評価は低かった。自らを健康的でないとする群では無気力が認められた一方で,健康群では他者に相談したりリラックスする等の積極的な健康行動が認められた。適切な食習慣をもつ学生は,抑うつ・不安,無気力等の陰性感情得点が低く,ストレス状況下における感情の抑圧傾向が少なかった。運動習慣はリラックスによる対処行動と関連した。睡眠習慣の阻害要因としては無力感,怒り,イライラなどの陰性感情,および感情の抑圧傾向があり,促進要因としては人に相談したりリラックスするストレス対処があげられた。日頃ストレスが多いと感じる学生は,少ないと感じる学生に比べて抑うつ・不安,怒り・不機嫌,無気力の得点が高かった。ストレスが少ない学生は,そうでない学生に比べてリラックスの対処が適切であった。生活習慣の修正は多くの学生にとって動機付けの難しさがあるが,身近なストレスと生活習慣を関連づけた対人援助的な介入は,健康行動のセルフマネージメントカを育成する有効な手がかりであると考えられる。

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